今から約30年前の1980年10月5日、山口百恵さんは武道館でのラストコンサートを最後に引退しました。その模様を収めた完全版がDVD化されるにあたり、タイトル文字のお手伝いをしました。普通と少し違うのは、今回の文字が、山口百恵さん本人が書いた「山口百恵」のサインの臨書である、ということ。つまり、本人の実際の書体を見ながら、私が本人になりきって筆で書いた文字とその変化形、なのです。
一番上段は、ご本人の直筆ほぼそのままの書体。
上から二段目はそれを少しディフォルメして、筆文字の風合いを強めたもの。
後半の二段は、私の個性も重ね合わせながら、商品のタイトル文字としてのインパクトを優先したもの。
最少的には、直筆そのままのものよりも、そこに少し意匠を加えたものが選ばれましたが、いずれにしてもあれからもう30年。色褪せない歴史の輝かしさに、改めて感動を覚えずにはいられません。
「完成形」
ジャケットデザイン /
吉野修平